21世紀になってからずいぶん経つが、日本各地には今も昔から伝わる不思議なお祭がたくさん受け継がれている。その中でも気になっていたのが、山形県のかみのやま温泉に伝わる上山市民俗行事 奇習「加勢鳥(かせどり)」。蓑をかぶって市内を練り歩き、五穀豊穣と商売繁盛を祈る行事だ。
毎年2月11日に開催されるというので、張り切って出かけてきた。
この時点ですでに結構な雪が積もっている。チラチラと雪も降り始める中、スタート地点となる上山城へと向かった。
こういうお天気のことを「加勢鳥日和」というようだ。
お城の前には加勢鳥グッズの販売も。
祈願式の始まる10時頃には、自分がどんどん雪だるまになっていくレベルの雪に。というか、すごく吹雪。
神主さんによる祝詞があげられるころには、雪は小降りに。音響も全て神主さんがご自分で担当されていたのがなんだか印象的だった。
そして、今年の加勢鳥たちが登場!
加勢鳥になる人は、上山市観光物産協会が毎年一般から募集する。
県内外だけでなく、海外から参加している方もいた。女性の姿もちらほら。
加勢鳥は、五穀豊穣・家運隆盛をもたらす歳神様(としがみさま)の来訪行事で、火伏の神様としても信仰されている。寛永年間から行われているという伝統あるお祭だが、1896(明治29)年以降は途絶えてしまっていた。それから63年後の1959(昭和34)年、有志の手によって復活、1986(昭和61)年にはカセ鳥保存会が結成され今に至っている。
上半身はさらしを巻いただけ(女性はシャツ着用)の状態から直接「ケンダイ」と呼ばれる蓑(みの)をかぶり、今日1日は神様のお使い「加勢鳥」として市内を練り歩きくのだ。
「加勢鳥加勢鳥お祝いだ、商売繁盛まんさくだ、ソレ、カッカッカーのカッカッカー、カッカッカーのカッカッカー、五穀豊穣、火の用心、五穀豊穣、火の用心」と、両手をぴんと伸ばし、片足で歌い踊る姿はなんだかかわいい。
ここで観客が加勢鳥に容赦なく水をかけ始める!
これは「祝い水」といって火伏の意味が込められているもので、商売繁盛・家内安全・火の用心を願うもの。
この後、加勢鳥たちは2班に別れて市内を練り歩き、お店の前などで踊りを披露していく。
タオルや手ぬぐいを加勢鳥に巻いてあげるのには、一年の「家内安全」「商売繁盛」「火の用心」「五穀豊穣」を願うという意味が込められている。
こうして加勢鳥達は午後3時すぎまで町内を練り歩く。
距離があるところは車での移動となり、軽トラの後ろにケンダイが積み込まれる様子はなんだかかわいい。
この日限りの加勢鳥限定グルメもある。駅前にテントを出して振るまわれていたのはフランクカセ鳥と加勢鳥鍋だ。
表面を細かく切って、加勢鳥のケンダイに見立てている。かかっているのはチーズ。
冷えた体に染み渡る優しい味わい。
車無しでは追いかけられない距離だったので、午後の予定場所のひとつ消防署へ向かう事にした。……のだが、雪がハンパなく降って来る。
視界の悪さとなれない土地にてこずってしまった
加勢鳥の関係者の方に次の目的地を伺うと、「歩くと30分はかかるしこの吹雪では歩いては無理だよ。車で最終地点に向かった方がいいよ」ということだった。
というわけで、タクシーを呼んで最終地点へ移動。
ここまでくると、この吹雪の中で1日中、水をかけられた加勢鳥たちは疲労困ぱい。最後の「カッカッカーのカッカッカー」を終えると即撤収に。終了の神事などはないのかと伺ってみたが、そういうものは特にないという。意外とさっぱり終了してしまった。
この後は加勢鳥たちは温かい食べ物やお酒でねぎらわれるのだという。
気になったのは、加勢鳥が舞を始めると毎回吹雪が収まったところ。(そして終わると吹雪く)さすが神様のお使いだ。
(すがたもえ子)
加勢鳥が町を練り歩く姿
毎年2月11日に開催されるというので、張り切って出かけてきた。
かみのやま温泉駅到着!
この時点ですでに結構な雪が積もっている。チラチラと雪も降り始める中、スタート地点となる上山城へと向かった。
上山城に着くころには本格的な雪に
こういうお天気のことを「加勢鳥日和」というようだ。
お城の前には加勢鳥グッズの販売も。
加勢鳥バームクーヘンに
ストラップや缶バッチなど盛りだくさん
「カッカッカーのカセ鳥応援隊」もグッズを売り歩く
さらしを巻いただけの状態から蓑をかぶる
祈願式の始まる10時頃には、自分がどんどん雪だるまになっていくレベルの雪に。というか、すごく吹雪。
吹雪の中とり行われる神事
神主さんによる祝詞があげられるころには、雪は小降りに。音響も全て神主さんがご自分で担当されていたのがなんだか印象的だった。
そして、今年の加勢鳥たちが登場!
加勢鳥になる人は、上山市観光物産協会が毎年一般から募集する。
県内外だけでなく、海外から参加している方もいた。女性の姿もちらほら。
加勢鳥は、五穀豊穣・家運隆盛をもたらす歳神様(としがみさま)の来訪行事で、火伏の神様としても信仰されている。寛永年間から行われているという伝統あるお祭だが、1896(明治29)年以降は途絶えてしまっていた。それから63年後の1959(昭和34)年、有志の手によって復活、1986(昭和61)年にはカセ鳥保存会が結成され今に至っている。
出発の儀式を終え
参加者たちは加勢鳥の姿になっていく
上半身はさらしを巻いただけ(女性はシャツ着用)の状態から直接「ケンダイ」と呼ばれる蓑(みの)をかぶり、今日1日は神様のお使い「加勢鳥」として市内を練り歩きくのだ。
たき火の前を歌い踊り周るところからスタート
「カッカッカーのカッカッカー」という歌声
「加勢鳥加勢鳥お祝いだ、商売繁盛まんさくだ、ソレ、カッカッカーのカッカッカー、カッカッカーのカッカッカー、五穀豊穣、火の用心、五穀豊穣、火の用心」と、両手をぴんと伸ばし、片足で歌い踊る姿はなんだかかわいい。
加勢鳥には容赦なく水をかける
ここで観客が加勢鳥に容赦なく水をかけ始める!
これは「祝い水」といって火伏の意味が込められているもので、商売繁盛・家内安全・火の用心を願うもの。
この後、加勢鳥たちは2班に別れて市内を練り歩き、お店の前などで踊りを披露していく。
その先々には祝い水をかけようと人々が集まってくる
水をかけられながら、町内を歩いて移動する加勢鳥の一行
加勢鳥の頭に手ぬぐいやタオルを巻く人も
タオルや手ぬぐいを加勢鳥に巻いてあげるのには、一年の「家内安全」「商売繁盛」「火の用心」「五穀豊穣」を願うという意味が込められている。
こうして加勢鳥達は午後3時すぎまで町内を練り歩く。
距離があるところは車での移動となり、軽トラの後ろにケンダイが積み込まれる様子はなんだかかわいい。
トラックで運ばれる加勢鳥のケンダイ
「加勢鳥」の日しか食べられない限定グルメも
この日限りの加勢鳥限定グルメもある。駅前にテントを出して振るまわれていたのはフランクカセ鳥と加勢鳥鍋だ。
フランクカセ鳥
表面を細かく切って、加勢鳥のケンダイに見立てている。かかっているのはチーズ。
表面を細かく切って、加勢鳥のケンダイに見立てている。かかっているのはチーズ。
こちらは加勢鳥鍋
この地域ゆかりの食材を使用
白いスープは雪をイメージしているのだとか
冷えた体に染み渡る優しい味わい。
そして駅前でも「カッカッカーのカッカッカー」
お昼を挟んで、午後の部は加勢鳥達は車での移動に
最後は疲労困ぱいの加勢鳥たち
車無しでは追いかけられない距離だったので、午後の予定場所のひとつ消防署へ向かう事にした。……のだが、雪がハンパなく降って来る。
視界の悪さとなれない土地にてこずってしまった
到着したころには消防署での演舞は終了
加勢鳥の関係者の方に次の目的地を伺うと、「歩くと30分はかかるしこの吹雪では歩いては無理だよ。車で最終地点に向かった方がいいよ」ということだった。
軽く遭難一歩手前くらいの吹雪
というわけで、タクシーを呼んで最終地点へ移動。
なんとか最後の加勢鳥に間に合った
ここまでくると、この吹雪の中で1日中、水をかけられた加勢鳥たちは疲労困ぱい。最後の「カッカッカーのカッカッカー」を終えると即撤収に。終了の神事などはないのかと伺ってみたが、そういうものは特にないという。意外とさっぱり終了してしまった。
この後は加勢鳥たちは温かい食べ物やお酒でねぎらわれるのだという。
気になったのは、加勢鳥が舞を始めると毎回吹雪が収まったところ。(そして終わると吹雪く)さすが神様のお使いだ。
お土産に買った加勢鳥のストラップ(大・小)
今日だけ販売の「火伏せ餅」もとろける食感で美味しかった
(すがたもえ子)