早大で「茶のやきもの」展 織部焼の名品など30点 時代超えた茶器 歴史感じて

2021年12月20日 07時12分

安土桃山時代に焼かれた「織部竹耳水指」=新宿区の早稲田大で

 安土桃山時代に焼かれた織部焼など茶器の名品が並ぶ「茶のやきもの」展が、新宿区の早稲田大・會津(あいづ)八一記念博物館で開かれている。博物館の下野玲子主任研究員は「コロナ禍でお茶席も少なくなる中、時代を超えた名品を見て、歴史を感じてほしい」と来場を呼び掛けている。(蒲敏哉)
 展示されているのは、電力事業などの実業家・故富岡重憲氏が二〇〇四年に大学に寄贈したコレクション約九百点のうち、茶器約三十点。
 茶聖千利休に学んだ戦国大名古田織部の時代に、美濃(岐阜県南部)で焼かれた「織部竹耳水指(たけみみみずさし)」は、左右非対称の竹を模した持ち手や、ヒョウタンと格子柄が特徴。茶席にほがらかさをもたらす「ひょうげ」の作風に充ちている。
 下野さんは「織部竹耳水指は、全体の絵柄が斬新で、多方面から鑑賞できるよう立体的に展示した」と説明している。
 このほか、利休お抱えの陶工、長次郎が関わったとされる「黒楽茶碗(らくちゃわん)・銘・破れ窓」、本来、木でつくる曲げ物の器を、焼き物で「とじ目」を表現した「備前とじめ水指」なども展示されている。
 茶道が趣味という来館者は「自由で遊び心に満ちた茶器が、こんな身近に見ることができるとは」と喜んでいた。
 同展は一月三十一日まで。午前十時〜午後五時(入館は午後四時半まで)。入館無料。休館は毎週水曜日、今月二十二日〜一月五日、十日。

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