FASHION / EDITORS

気になるBIGBANGのT.O.P、アーティストとしての魅力。(Mihoko Iida)

4年ぶりに4人となったBIGBANGが新曲「Still Life」を発表した直後に、メンバーのT.O.Pが所属事務所に別れを告げるインスタを公表。日本デビューから見てきたエディターが音楽活動のみならず、俳優チェ・スンヒョンとしての彼の魅力をプレイバック。

こちらのコラムで数日前に紹介されたように、誰もが待ち望んだBIGBANGのカムバック。4年ぶりの新曲「Still Life」は、大人になった彼らの魅力が詰まったちょっぴり切ないバラードです。これからまた彼らの音楽が聴ける!と心を躍らせていた矢先に、T.O.Pが自身のインスタグラムで16年間所属した事務所から離れることを発表し、私の周りでも驚いた人が多かったです。

Instagram content

This content can also be viewed on the site it originates from.

4月5日、公式インスタグラムにアップされた文章には、所属事務所YGのスタッフへの感謝を述べてています。「これまでの16年間に感謝」と言い、「今は人生の大きな転換期を迎えていると感じています………近い将来に人々をインスパイアすることができる人間として戻ってくることができることを心待ちにしています。ファンのみなさまに多大なる感謝を述べたいと思います。重ねてお礼を申し上げます」という内容のものでした。

思えば、VOGUE JAPANに初めてT.O.Pが登場したのはBIGBANGのメンバーとしてですが、俳優チェ・スンヒョンとしてインタビューにも応じてくれました。

『VOGUE JAPAN』2014年3月号の誌面から。

Photo: Taka Mayumi

当時は映画『同窓生』(U-NEXT配信中)がちょうど日本で劇場公開されるときでもあり、インタビューではまさにBIGBANGのT.O.Pとして音楽活動をしているときと、俳優チェ・スンヒョンとして映画に出演するときとでは、どのように切り替えているか、など語ってくれました。

この作品をまだ観たことがない読者にはオススメです!

映画『同窓生』(2014)では俳優として主演を飾ったT.O.P。

映画『同窓生』(2014)では、北朝鮮の工作員を演じ、ハードなアクションシーンにもチャレンジ。役に没頭するあまり、普通の生活を送るのが難しかったともインタビューで語っていた。

Well Go/Courtesy Everett Collection

妹の命を守るために北朝鮮の工作員としてソウルの高校に潜伏する運命を背負った少年役を見事に演じたT.O.Pこと俳優のチェ・スンヒョン。アクションシーンが多く、撮影中に手をケガしたことも当時大きなニュースになり、インタビュー中に「大丈夫ですか?」と尋ねたら、手の甲に4cmほど残っている傷を見せてくれてくれたのを今もよく覚えています。

格闘シーンでガラスの破片が刺さってしまい、手の皮膚がえぐれてしまった、と聞いているだけで背筋がゾクゾクするのに、彼はものすごく楽しそうにそのシーンを説明しなたら、「寿司の刺身、一切れ分ぐらいが吹き飛んでしまいました」と明るく、いたずらっぽく、笑いながら話してくれたのがまるで昨日のようです。

もともと絶妙なユーモアのセンスの持ち主で、ソロアーティストとしてリリースした音楽にもその才能が溢れています。

今回のニュースを受けて久々に昔のインタビューを読み返してみたら、こんなことが書いてありました。

「多才な表現者として、音楽から演技、そしてデザインまでこよなく愛するT.O.P。『若いうちにできるだけいろいろなことにチャレンジしていきたい』と何事にも前向きなアーティスト。最後にどんな将来像を描いているのかと尋ねると『優雅でありたいと思いま す』と即答……」(VOGUE JAPAN 2014年3月号 p.259)

インタビュー中はその「優雅」の意味についてさらにしばらくやり取りが続き、途中で「おじいさんになってもセクシーでありたいです」などと語ってくれた後に、最後に「『粋だね』と呼ばれる人になりたいのです」と締めくくった彼の姿が今も目に焼き付いています。

当時のインタビューでは、家具デザインと建築をいつか本格的に勉強をしたい、とも語っていたT.O.P。未来は未知数ですが、可能性は無限大。「若いうちにできるだけいろいろなことにチャレンジしていきたい」と語った彼が、これからも素敵なアーティストとして躍進していくことを願っています。