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オリックスが26年ぶり日本一 「がんばろうKOBE」以来

プロ野球日本シリーズ第7戦 ヤクルトーオリックス 日本一となり胴上げされるオリックスの中嶋聡監督 =神宮球場(撮影・今野顕)
プロ野球日本シリーズ第7戦 ヤクルトーオリックス 日本一となり胴上げされるオリックスの中嶋聡監督 =神宮球場(撮影・今野顕)

プロ野球のSMBC日本シリーズ2022は30日、東京都新宿区の神宮球場に2万9381人の観衆を集めて第7戦が行われ、オリックスがヤクルトに5―4で競り勝って対戦成績を4勝2敗1分けとし、阪急時代を含めて5度目の日本一に輝いた。阪神大震災で本拠地だった神戸市が被災し「がんばろうKOBE」を掲げて戦った1996年以来、26年ぶりの頂点に立った。

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昨年と同じ顔合わせで第1戦から1分けを挟んで2連敗した後に4連勝した。震災当時に捕手で現役だった中嶋聡監督の下でパ・リーグ2連覇を成し遂げ、昨年のシリーズの雪辱を果たした。最高殊勲選手(MVP)には2本の殊勲打を放った杉本裕太郎外野手が選ばれた。セ・リーグ2連覇のヤクルトは球団初の2年連続日本一を逃した。

「全員で勝ち取った」頂点

5―4の九回2死、ワゲスパックが塩見を空振り三振に仕留めると、オリックスナインが一斉にベンチを飛び出す。劣勢から怒濤の4連勝で頂点に立った。寒空の神宮球場で宙を5度舞った中嶋監督は「非常にいい夜空だった。本当に、全員で勝ち取った優勝」と26年ぶりの日本一に浸った。

日本一を決め、抱き合うオリックスのワゲスパック(奥)と若月健矢 =神宮球場(撮影・村本聡)
日本一を決め、抱き合うオリックスのワゲスパック(奥)と若月健矢 =神宮球場(撮影・村本聡)

喜びと涙、頂点への長き道

オリックスが拠点とする大阪市や神戸市では、東京の神宮球場に駆け付けられなかった地元ファンらが、テレビ中継で悲願の瞬間を見届けて喜びの声を上げた。今回の頂点までの長い道のりを思うとともに、震災復興の歩みもかみしめ、涙をこぼす人もいた。

大阪市北区にある居酒屋で、オリックスの日本一を喜ぶファン=30日夜
大阪市北区にある居酒屋で、オリックスの日本一を喜ぶファン=30日夜

「去年の雪辱を果たしたぞ」。オリックスの本拠地球場・京セラドーム大阪がある大阪市では、居酒屋「野球酒場 酔勝家」(同市北区)に集ったファンが試合終了の瞬間、抱き合って喜んだ。

2004年にオリックスが合併した近鉄時代からのファンで、ドームでビールの売り子もしていたという大阪市の小金弥生さん(43)は「ずっと応援してきて、よかった。本当に、感無量」。近鉄が日本一を達成できなかったことも思い起こし、目に涙を浮かべた。

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