認知症、薬と長くつきあうために 効果と副作用見極めて

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川村剛志
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 認知症になると、物忘れや判断力の低下に加え、妄想や徘徊(はいかい)など行動・心理症状(BPSD)が出る人もいる。こうした症状を減らすため、抗認知症薬や抗精神病薬などの精神機能に作用する「向精神薬」を服用する場合は副作用が出ないかを注意深く見守りつつ、薬とつきあっていくのが重要だ。

 群馬県内の男性(82)は3年前、同県伊勢崎市の大井戸診療所(大澤誠理事長)でアルツハイマー型の認知症と診断された。以前から同じ質問を繰り返し、日にちの感覚もあやふやになっていた。男性は空手の有段者。気にいらないことがあると、妻(83)の両手首をあざが残るほど強くつかむこともあったという。

 男性は認知症の進行を遅らせる抗認知症薬を処方されたが、興奮状態がひどくなったこともあった。翌夏から、強い興奮などに対しての抗精神病薬をのみ始めると、落ち着きを取り戻した。一方で歩幅が狭まったり、大声が出なかったりするなどの症状も出始めた。

 歩き方をみて転倒を心配した…

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